愛媛大学教育学部は、平成30年度より、文部科学省から事業受託し、「発達障害の可能性のある児童生徒の多様な特性に応じた合理的配慮研究事業」に取り組んでおります。
「障害者の権利に関する条約」への批准、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」の施行に伴い、我が国においても、障害のある幼児児童生徒が、将来の自立と社会参加に向けた学びの充実を図るための合理的配慮を、教育現場において円滑に提供することが求められています。一方で、本学附属校園を含めて、公立・私立小中学校の通常の学級、及び公立・私立高等学校の普通科等において、合理的配慮を求める児童生徒が在籍していたとしても、十全に合理的配慮が提供されているとは言い難い状況にあります。
愛媛大学では、教育学部と附属校園が協働し、附属特別支援学校を中核とした特別支援教育コーディネーター会議、及び「学びのダイバーシティーサポートチーム」を組織しています。そこで、「学びのダイバーシティーサポートチーム」に保健医療福祉領域の専門性を導入することで、上述した課題を解決することができると考え、本事業を提案し、実施しています。
なお、本学附属校園は、地域の教育研究の拠点校として位置づけられており、近隣の公立・私立幼稚園、小中学校、高等学校等からの相談、助言依頼も多くあります。本学附属校園における合理的配慮の提供体制を充実・拡充することは、愛媛県内の多くの教育機関における合理的配慮を巡る状況を改善・進捗させる相乗効果が生まれることを期待しています。
事業代表者 愛媛大学教育学部 教授 苅田 知則