「学習」の島では、12団体を紹介しています。各団体の見出しに「■」を、オリジナルポスターの前に「●」をつけています。検索等でご活用ください。 ■朗読録音グループ「声の友」 ローカル情報から医学書まで~声の友の活動~ 活動する地域 広島県三原市 団体名 朗読録音グループ「声の友」 基礎データ 継続年数 41年間 活動分野 情報保障、学習 主な対象 視覚障害、肢体不自由 主な連携先 小学校、中学校、社会福祉法人等 団体の規模等 56名 活動の概要 視覚障害者との連携を深めるともに、福祉の充実に協力することを目的に、朗読や音訳等の活動を行っている。長年にわたり、市広報や市議会だより、障害者プラン等の音訳を行うほか、障害者支援施設等を毎月訪問し、資格取得のための医学専門書なども含めた要望のあった書籍を朗読・音訳している。 活動の内容 視覚障害者との連携を深めるとともに、福祉の充実に協力することを目的に、朗読や音訳等の活動を行っています。市広報、市議会だより、障害者プラン等の音訳を行っています。市広報は、紙媒体発行日と同じタイミングで、利用者に届けています。 盲養護老人ホームや障害者支援施設を毎月訪問し、視覚障害者や高齢者から要望のあった書籍等を朗読や音訳しています。 また、視覚障害者福祉協会主催「視覚障害者の料理教室」、社会福祉協議会主催「朗読ボランティア養成講座」、三原市内の小中学校での福祉体験学習など、市内の関係団体と連携して活動を行っています。 こうした活動状況は、毎月、市の市民協働サイトやフェイスブックで発信しています。 写真1 声の友会員集合写真 写真2 市議会だよりの収録中 活動の経緯・体制 三原市社会福祉協議会主催「朗読ボランティア養成講座」修了者有志により結成し、40年以上活動を続けています。会員は30代から80代と幅広い年齢層で構成されており、総務部・収録部・朗読奉仕部・研修企画部に分かれて、定期的に活動しています。 活動の効果・普及状況 依頼があれば、短期間で作成して届けるなど、利用者の要望に応じて支援をしています。はり・灸の資格取得のための医学専門書など、学習を支援する朗読にも取り組んでいます。 作成した市広報等の音声CDは、三原市中央図書館に届けたり、ホームページにアップしています。 その他(団体紹介や参考情報等) http://mihara.genki365.net/gnkm05/mypage/index.php?gid=G0000099 ■一般社団法人山口県身体障害者団体連合会 プロフィール 所在地 山口県山口市。 団体名 一般社団法人山口県身体障害者団体連合会。 活動名称 障害者わくわく体験教室・ステップアップいきいき講座、県障害者芸術文化祭。 こんな活動です 文化芸術活動による障害の理解並びに障害者の自立と社会参加の促進を目指す! 連携している団体等 特別支援学校、文化芸術活動を行う団体、社会福祉法人、行政(教育委員会、保健・福祉部局)。 功労者表彰 活動分野 学習、文化。 主な対象 身体障害児・者。 団体の規模 役員 11 名。 加盟団体数 21 団体。 活動の説明 ①活動内容 【障害者わくわく体験教室・ステップアップいきいき講座】 障害者が日常生活において、自信をもって豊かな生活を送れるようにするとともに、自立と積極的な社会参加を促進することを目的とした講座・大会を定期的に開催している。余暇の充実や、より自立的な生活につながるように内容を工夫している。 ◯書道講座(年 6 回開催) ・県障害者芸術文化祭に出展するための作品制作 ・講師による作品の講評等 ◯写真講座(年 4 回開催) ・県内の観光名所等での写真撮影 料理講座(年 3 回開催) ・料理に関する基本的な知識、技能の習得を目指した実習 ◯障害者交流囲碁・将棋・オセロ大会 ・囲碁の部 3 名、将棋の部 12 名、オセロの部 57 名、計 72 名が参加(平成 30 年度)。 ◯障害者交流カラオケ大会 ・県内 2 ヶ所で地区予選会を開催し、各予選会での上位 7 名が本大会に出場。 【県障害者芸術文化祭】 障害者の文化芸術活動の振興及び社会参加の推進のため、障害者が制作した作品の展示や障害者による演劇等の舞台活動などを中心とする総合的な文化祭の企画・運営を、行政と連携しながら行っている。 ②活動体制 会長(1 名)、副会長(2 名)、理事会(常務理事 1 名、理事 5 名)、監事会(監事 2名)。 会員は、目的に賛同して入会した身体障害者の団体をもって構成しており、加盟団体数21(障害別団体 6 団体、市町団体 15 団体)である。加盟団体が連携を密に取り合いながら、全県的な活動推進体制を構築しているのが特徴である。 ③活動の効果等 ・①日常生活に必要とされる知識・技能の習得による、障害者の生活の質の向上及び社会参加の一層の促進。 ・②障害者同士の交流による人間関係の拡大及びコミュニケーション能力の向上。 ・③共生社会の実現に向けた、障害への理解の促進。 活動の様子 写真 1 障害者わくわく体験教室・ステップアップいきいき講座(書道)。 写真 2 県障害者芸術文化祭(ステージ発表)。 ■広島大学大学院人間社会科学研究科附属特別支援教育実践センター プロフィール 所在地 広島県東広島市 活動名称 障害のある人の学び・暮らしの力を支える実践的活動 こんな活動です 障害のある人もない人も、共にグローカルな活躍をめざそう! 連携している団体等 幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、大学、行政(教育委員会他) 活動分野 学習 主な対象 知的障害、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、発達障害等 団体の規模(団体の場合のみ) 学生 45 名 教員 12 名 活動の説明 ①活動内容 教職員と学生がチームを組み、地域と連携を図りながら、①「アートは生活と社会を変える」、②「視覚障害者のための iPhone 活用研修会」、③「吃音のある学生のための就活講座」、④「特別支援教育サポーター活動」等の活動を実施してきました。 ①では、教育委員会や認定 NPO 法人、障害当事者、教職員、学生が連携し、障害者アートによる街づくりや商品開発を、②では、市販や自作アプリを弱視児者に紹介し、活用する機会を設けることで見えにくさを改善し、生活や学びの向上につなげる活動を、③では、吃音のある求職者に対し、流暢性を促す発話練習、面接の心構え、効果的プレゼンテーション方法等を指導する活動を、④では、教育委員会と連携して実施している活動で、学生が課外活動の一環として、公立小中学校を訪問し、教員の補助として、多様なニーズのある児童生徒を指導する活動を実施してきました。 ②活動体制 特別支援教育の開始を契機に、地域や学校、医療機関、保護者からの相談が増えたことから、従来は教員が個人的に実施していた教育相談・臨床活動を、本学内外における強固な連携を図り、組織的な実施体制を整え、地域貢献の一環として本活動を実施することとなりました。活動に参加した先輩から後輩への指導、障害当事者同士で交流を持てる機会を設けるなど、活動を広げ、深めるための工夫をしています。 ③活動の効果等 昨年実施した教育相談・臨床件数は 729 件であり、国内外からの利用実績があります。また、学校や医療・療育機関からの紹介による事例も増加しています。当センターでは、本学内外と連携を図りながらこうした活動を組織的に展開することによって、地域の特別支援教育の推進や、障害当事者の生活の質の向上といった効果が見られるようになりました。 活動の様子 写真 1 「アートは生活と社会を変える」展示会の様子 写真 2 「視覚障害者のための iPhone 活用研修会」の様子 ●広島大学大学院人間社会科学研究科附属特別支援教育実践センター オリジナルポスター 障害のある人の学び・暮らしの力を支える実践的活動 ◎概要:教職員と学生がチームを組み、地域と連携を図りながら、①「アートは生活と社会を変える」、②「視覚障害者のためのiPhone活用研修会」、③「吃音のある学生のための就活講座」、④「特別支援教育サポーター活動」等の活動を実施。 ◎活動内容:①行政・企業・障害者と教職員・学生が連携し、障害者アートによる街づくりや商品開発、②市販や自作アプリを弱視児者に紹介し、活用する機会を設定、③吃音のある求職者に対し、流暢性を促す発話練習、効果的プレゼンテーション方法等を指導、④学生が公立小中学校を訪問し、教員の補助として、多様なニーズのある児童生徒を指導。 ◎工夫点:学内外において強固な連携を図り、組織的な実施体制を整え、地域貢献の一環として活動を実施。活動に参加した先輩から後輩への指導、障害当事者同士で交流を持てる機会を設けるなど、活動を広げ、深めるための工夫を実施。 ◎課題:無償ボランティアとして活動に参加する学生が減っているため、活動への参加を授業の一環にする、TAとして参加し、後輩の指導補助に当たってもらうなどの工夫が必要。 写真1 「アートは生活と社会を変える」展示会の様子 写真2 「視覚障害者のためのiPhone活用研修会」の様子 写真3 「吃音のある学生のための就活講座」の様子 ■津山市青年学級 プロフィール 所在地 岡山県津山市 活動名称 津山市青年学級 こんな活動です 青年が「笑顔」で「楽しく」活動しています! 連携している団体等 行政(地域振興部) 活動分野 学習、スポーツ、文化芸術 主な対象 主に知的障害のある障害者(青年) 団体の規模(団体の場合のみ) 代表 1 名 会員 76 名 事務局員 1 名 活動の説明 ①活動内容 津山市青年学級は、主に 16 歳以上の知的障害者を対象に、体験活動を通じて交流を図ることを目的とした団体で、月に 1 回程度、第 4 日曜日に、公民館等を会場に活動しています。活動の内容としては、ダンス・簡単な料理・工作・陶芸などの体験活動を主に行っています。 また、集団活動として、年 1 回、日帰りでバスでの社会見学を実施しています。これらの活動を通じ、地域の障害者とその家族、一般のボランティアの交流を図りながら、障害者の生涯学習活動を推進しています。 【令和元年度主な行事】 成人と新年を祝う会、バス旅行、クリスマス会、ものづくり(万華鏡)、料理教室(冷やし中華)、ボウリング大会等 【令和元年度行事参加者】 延べ 284 人(青年、保護者、ボランティア含む) ②活動体制 行事開催前に開催する運営委員会において、事務局に加え、青年、保護者、ボランティアが集まり、行事のプログラム及び進行役を決定して準備を進めます。活動当日の運営については、進行役など中心を担う役割を青年が行い、保護者やボランティアは進行の補助や受付などのサポートに回ります。 ③活動の効果等 青年は、県北地域の特別支援学校の卒業生が大半を占めており、特別支援学校卒業後の交流の場として機能しているほか、行事の進行役など中心となる役割を青年が担うことで、達成感や自信を得ることができており、青年やその保護者からの満足度が高い活動となっています。また、ボランティアとの交流によって、障害のある人とない人の相互理解を深める場にもなっています。 活動の様子 写真 1 青年学級行事 「クリスマス会」様子 写真 2 青年学級行事「お花を楽しもう」様子 ■ さくら学級 「さくら学級」で楽しい休日! 活動する地域 徳島県徳島市 団体名 さくら学級 基礎データ 継続年数 21年間 活動分野 文化芸術、スポーツ、学習 主な対象 知的障害者 主な連携先 文化芸術団体等 団体の規模等 指導者4名、学級生23名 活動の概要 知的障害児・者を対象とした、休日の余暇活動です。教員と保護者の無償ボランティアで21年間運営しています。なかでも「阿波踊り」は生徒たちの大好きな活動であるとともに、県内外の様々なイベントで活躍することができ、生徒たちの生きがいとなっています。 活動の内容 ・阿波踊り 毎年お盆に徳島市演舞場で踊ることを楽しみに練習を重ねています。今年はパラリンピック聖火徳島県出立式で披露しました。国内外の多くの人と阿波踊りでつながることができています。・水泳 障害者交流プラザのプールを利用し、初心者から上級者まで自分に合った泳ぎを楽しんでいます。健康増進にもなっています。・劇 昔話を題材とした劇を、福祉祭り等で披露しています。発音の改善やコミュニケーション力が高まり、日常の会話にも役立っています。・手芸 刺し子やパッチワークに取り組んでいます。・その他に、調理、生け花、楽器演奏、英語、読み聞かせなどを、組み合わせながら実施しています。年に1回の遠足もあり、この日のためにみんな給料や小遣いを貯めています。 写真1 パラリンピック聖火徳島県出立式で阿波踊り 写真2 劇 活動の経緯・体制 教え子(徳島市の小学校・中学校の特別支援学級に通う児童・生徒)の余暇活動の充実を願う担任の熱い思いから出発した活動です。指導は教員4名。開設当初は使用会場確保にも苦労したが、現在は県立障害者交流プラザを拠点に、毎週土曜日の午前中に3時間活動をしています。 活動の効果・普及状況 ・仲間と一緒に活動できることが、生活の中の大きな楽しみや励みになっています。また、活動を長年続けることで「できる」ことが増え、自信になっています。・阿波踊りを通じて郷土を愛する精神が育つとともに、たくさんの人と交流をすることができています。・保護者同士の相談や情報交換の場になっています。 その他(団体紹介や参考情報等) ■要約筆記オリーブまさき プロフィール 所在地 愛媛県伊予郡松前町。 団体名 要約筆記オリーブまさき。 活動名称 障がい者のための要約筆記。 こんな活動です 聞こえが不自由な方への情報保障。 連携している団体等 公民館、社会教育関係団体、社会福祉法人、行政(教育委員会)。 功労者表彰 活動分野 学習。 主な対象 聴覚障害。 団体の規模 会員数 9 名。 活動の説明 ①活動内容 中途失聴者、難聴者(聞こえにくい・聞き取りにくい人)、高齢者に対しての一つの情報保障としての重要な役割が果たせるよう、学習会の実施や研修会及び交流会への参加などを行う。 ◯年に 3 回、松前町内の大会での要約筆記。 ・明るい人権のまちづくり大会(約 400 人、非対象者含む)。 ・社会を明るくする運動松前町大会(約 300 人、非対象者含む)。 ・松前町生涯学習推進大会・公民館研究大会(約 300 人、非対象者含む)。 ◯月に 1 回、公民館での学習会。 ・行事予定や結果報告、要約筆記のための情報交換、聞き取りながら要約する実技練習、大会前の準備。 また、平成 29 年度全国障害者スポーツ大会(えひめ大会)では、聴覚障害者バレーボール及び聴覚障害者卓球の競技会場での筆談ボランティア、大会受付、案内を行った。 ②活動体制 要約筆記を普及・啓発するためボランティア仲間を募り、平成 9 年より活動を開始し、現在会員は 9 名である。耳の不自由な方が「要約筆記」があれば安心して一人でも多くの集会や講演会に参加してくださることを目標に取り組んでいる。毎年、松前町社会福祉協議会からのボランティア活動助成金を活動資金に充てている。 ③活動の効果等 学齢期、青壮年期、高年期と幅広い年齢層を対象に支援し、重度障がい者を含め、多くの障がい者のために要約筆記を行っている。手話は少し難しくても「言葉」を「文字」にすることで対象者に分かってもらい、喜んでいただいている。要約筆記の依頼があれば、メンバーのうち 6~7 人を選抜して依頼元へ赴いている。また、聴覚障害者等(高齢によるものを含む)への便利な意思疎通道具の普及活動を行っている。具体的に、最近では、高齢者サロン等で携帯ホワイトボードの普及活動を実施している。 個別のボランティア活動として、実施メンバーのそれぞれは要約筆記だけでなく、他のボランティア団体に登録して精力的に活動している。メンバーのほとんどはその実績により社会福祉大会で表彰を受けている。 活動の様子 写真 1 松前町総合文化センターでの OHP を使った活動。 写真 2 2017 年えひめ大会、筆談活動(伊予市)。 ■とべ・ひびき会 プロフィール 所在地 愛媛県砥部町 活動名称 「聴覚障がい者の生きがいづくり」 こんな活動です 情報交換の場を作り、社会参加促進に努めています。 連携している団体等 大学、スポーツ団体、社会福祉法人、病院・保健所、行政(保健・福祉部局)、その他(愛媛県聴覚障害者協会、愛媛県難聴者協会、砥部町議会) 活動分野 学習 主な対象 聴覚障害 団体の規模(団体の場合のみ) 会員 42 名 役員 6 名 活動の説明 ①活動内容 【耳の日の勉強会】 毎年 3 月にとべ・ひびき会の活動として、耳の日の勉強会を実施し、障がい者や支援者に対し耳の疾病などについて学習する場を提供しています。講師は愛媛大学の医療関係者等と連携の上決定し、医者等の専門家に主に依頼しています。 【1 日研修会】 11 月には小規模な 1 日研修旅行を実施し、障がい者と健常者の親睦を図るとともに、障がい者の社会参加の機会を提供しています。内容はバスを利用しての県内外施設や歴史文化財の視察研修です。 【スポーツ交流事業】 会員同士及び健常者との交流目的でのスポーツ交流(ペタンク等)を行っています。手話通訳者・要約筆記者も交えて親睦を深めています。 【議会と町づくりを語る会】 聴覚障がい者にもやさしい町にするために、町議会議員と意見交換を行っています。 【手話奉仕員養成講座】 町からの委託を受け、聴覚障がい者に対し、情報提供の役割を担うための手話奉仕員の養成を目的とした講座を開催しています。 ②活動体制 聴覚障がい者相互の親睦、社会参加及び教養の向上並びに手話奉仕員及び要約筆記者の養成を行うなど、聴覚障がい者の福祉の増進を目的に平成 15 年 10 月に協議会を設立しました。設立後は、平成 16 年度頃から耳の日がある 3 月に耳の疾病等に関する講演会や視察研修などを行い、聴覚障がいに対する理解と聴覚障がい者や支援者の教養の向上に努めるとともに、参加者の親睦に努めています。手話通訳者なども配置し聴覚障がい者への配慮も行っています。また、砥部町の障がい者福祉を向上させるため、砥部町議会と懇談会を通じて、行政に対し積極的に提言を行っています。 ③活動の効果等 結成当初から砥部町の手話通訳者の増員の必要性を訴え、平成 16 年度にふれあい手話教室、平成 25 年度から手話奉仕員養成講座の委託を受ける等、障がい者の生活保障及び健常者の生涯学習として幅広い世代へ積極的に普及拡大を図り、砥部町における聴覚障がい者福祉施策に大きな影響を与えています。地域の聴覚障がい者や支援者が活動に参加しており、健常者の障がい者に対する支援の輪が広がっています。コミュニケーションを図ることが難しく、家庭に閉じこもりがちになる聴覚障がい者に対し、社会参加の促進や生涯学習の場の提供等により、障がい者の生きがいづくりに大きく貢献しています。 活動の様子 写真 1 一日交流研修会 写真 2 とべ・ひびき会「耳の日」の勉強会 ■岡山ももの会を支援する会 プロフィール 所在地 岡山県岡山市 活動名称 岡山ももの会の活動支援・啓発活動 こんな活動です 23年間の当事者の会支援~豊かな生活を!! 連携している団体等 社会福祉法人、その他(岡山県・岡山市手をつなぐ育成会) 活動分野 学習、スポーツ、文化芸術、その他(旅行・清掃ボランティア活動) 主な対象 知的障害 団体の規模(団体の場合のみ) 支援者 47 名 活動の説明 ①活動内容 ノーマライゼーションの理念のもと、知的障害児・者の自己決定や社会参加による豊かな生活が取り上げられだした時期に、当事者の会である「岡山ももの会」が発足しました。支援する会は、発足時より活動支援を行ってきています。内容としては、岡山ももの会が行っている毎月の行事と、毎月第 4 土曜日に行っている岡山駅前の清掃活動の支援を行っています。令和元年度には、「テーブルマナー、音楽を聴きに行こう(総社吹奏楽団)、映画鑑賞(イオンシネマ岡山)、勉強会(健康について・友達について)、クッキング、手をつなぐ育成会中国・四国大会すまいる大会への参加と運営、新年会、ふれあいウォーク in ツーデーマーチ(コロナのため中止)」などの月行事とボランティア活動(清掃活動)の支援を行いました。活動の計画・実施には、岡山ももの会の役員と支援する会の 2 名が中心になってあたっています。支援の会は行事ごとに担当支援者を決めて支援を行っていますが、本人たちの考えを尊重し主体的な活動になるように支援を進めています。 ②活動体制 平成 9 年 11 月に岡山市で開催された育成会の全国大会「本人大会」の運営に参画するため、「岡山ももの会」が結成されました。このときボランティアとして支援した団体が「仲よし作業所」(平成 12 年 社会福祉法人岡山市手をつなぐ育成会に法人化)の職員を核にしたボランティア団体で、現在まで 23 年間にわたり活動支援を行ってきています。活動内容によっては、岡山県手をつなぐ育成会や岡山市手をつなぐ育成会(親の会)と連携して支援を行っています。 ③活動の効果等 支援により活動範囲の拡大・活動回数の確保や社会生活に関する研修など、内容の充実した本人の会の活動が継続できています。会議・研修会・育成会の大会などでも、本人たちの意見発表や協力しながら自分たちの力で活動を進める意欲・能力が培われてきています。また、地域に出かける活動も多く、知的障害のある人の理解・啓発活動にもなっています。 活動の様子 写真 1 岡山駅前の清掃活動 写真 2 「健康について」の勉強会 ■愛媛大学教育学部附属特別支援学校同窓会(虹の会) 基礎データ 継続年数 45年間 活動分野 学習、スポーツ等 主な対象 知的障害 主な連携先 愛媛大学教育学部附属特別支援学校 団体の規模等 会員約95名、ボランティア約30名 活動の概要 卒業生同士の交友を深め、様々な活動をとおして社会生活に必要な知識・マナーの習得を図り、生活経験の拡大を図ることを目的に活動しています。原則、活動は毎月1回。生涯学習活動としてテーブルマナー講座や地域の文化財散策、芸術体験・鑑賞、スポーツなどで、毎回約40名が参加しています。 活動の内容 愛媛大学教育学部附属特別支援学校同窓会(虹の会)の会員は、愛媛大学教育学部附属小学校・愛媛大学教育学部附属中学校の特殊学級及び愛媛大学教育学部附属養護学校・附属特別支援学校の中学部・高等部の卒業生、1年以上高等部に在籍していた生徒で所定の会費を納入した者及び愛媛大学教育学部附属特別養護学校・附属特別支援学校教職員・旧職員、愛媛大学教育学部附属特別支援学校親の会会員で構成しています。 原則として毎月1回、テーブルマナー講座、地域の文化財散策・巡検、芸術体験・鑑賞、バス利用による巡検、スポーツ等の生涯学習活動を実施しています。平均して、毎回約40人の参加がありました。 現在は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今までのような活動ができていませんが、「虹の会通信」を発行して会員相互の交流を行っています。感染が収束したときは、今までのような活動を再開したいと考えています。 写真1 テーブルマナーを学んでみんなで楽しく食事 写真2 巡検で呉市の大和ミュージアムにも行きました 活動の経緯・体制 会員同士の交友を深めるとともに、様々な活動を通して社会生活に必要な知識・マナーの習得を図り、生活経験の拡大を図ることを目的として設立されました。相互交流・親睦の維持や生涯学習による社会生活向上をめざし、総会にて事業、決算・予算の承認を得て、役員(会員から選出)を中心に実施・活動しています。 活動の効果・普及状況 会員は活動を楽しみにしています。会員相互や附属特別支援学校教職員との情報交換もでき、附属特別支援学校生徒の進路設計において参考となっています。テーブルマナー講座は飲食業界、地域の文化財散策・巡検は文化財保護活動団体、芸術体験・鑑賞活動は地域の演奏家、バス利用の巡検は観光業界の協力を得ています。 その他(団体紹介や参考情報等) 愛媛大学教育学部附属特別支援学校https://tokushi.edc.ehime-u.ac.jp/tokushihp/ ■社会福祉法人あいあい 就労継続支援B型事業所青葉作業所 プロフィール 所在地 岡山県岡山市 活動名称 障害者(知的・身体・精神)の生涯学習支援 こんな活動です 命・はたらく・くらす・生きぬく - 楽しみといきがい 生涯学習 - 連携している団体等 特別支援学校、大学、社会教育関係団体、文化芸術活動を行う団体、企業・事業所、病院・保健所、行政(保健・福祉部局、警察、消防、県生涯学習センター)、その他(各種専門家講師) 活動分野 学習、文化芸術、その他(生活習慣改善・ボランティア・レクリエーション活動) 主な対象 障害種問わず 団体の規模(団体の場合のみ) 障害者 16 名 職員 8 名 活動の説明 ①活動内容 ○通所者が楽しみや生きがいを持ち、かつ、地域社会において主体的に生活することができるようになることを目的に、生涯学習に関連した研修を平成 16 年から毎週土曜日に実施しています。 上記研修実績の例としては、「最近の障害福祉」「安全・安心・安定・危機」「災害(火災・地震等)」「地域との合同避難訓練」「交通事故、法律・約束」「きまり・エチケット」「健康管理・生活リズム」「食生活と生活時間とお菓子作り」「働く・余暇・社会参加と美術館見学」「救急法」「音楽」「音読」「体操」等が挙げられます。講義や体験活動など、幅広い分野を対象としています。 ○美術・造形・日本文化等を楽しむ中で、達成感、満足感、一体感、共感などを味わうことを目的に、平成 26 年から 3 年毎に「あいあい青葉作品展示会」を県生涯学習センターにて開催しています。 ○平成 14 年から国指定重要文化財の「岡山城西の丸西手櫓」周辺の草とり、落ち葉集め、たばこの吸殻拾い等を行っており、文化財を守るための環境美化整備活動を実施しています。 ○平成 19 年から意欲・体力・気力の向上を図るため、「早寝早起き朝ごはん」運動に参加し、規則正しい生活習慣を整えるよう努めています。(午後 9 時就寝、午前 6 起床、よくかんで食べて排便) ②活動体制 ○研修内容は、作業所の全職員で計画し、各分野から識者、専門家に講師を依頼しています。警察、消防等とも連携し、体験活動を充実させるなど、質・量ともに充実向上を図っています。 ○研修等は通所者の希望者を対象とし、作業所の職員複数名が常時サポートに当たっています。 ③活動の効果等 ○通所者同士または職員との交流や、講義・体験の場を通じて、公共のマナーや社会生活上必要な知識を得ることで、一人一人の障害を見据えた、種々の困難に対応する力の向上が見られます。また、余暇の過ごし方を学ぶことで、実際に余暇の充実に活用できている事例が見られます。 ○岡山城西の丸西手櫓周辺清掃等、長年にわたり、通所者が地域社会の中で知恵と活力を発揮することで、障害のある方への理解促進に寄与しています。平成 30 年 3 月には、本市連合婦人会から本作業所に寄付金が贈呈されるなど、地域社会からも高い評価を得ています。 活動の様子 写真 1 あいあい青葉作品展をめざして「描画」の様子 写真 2 火災・地震時等の学び実践の様子 ■社会福祉法人島根ライトハウス ライトハウスライブラリー プロフィール 所在地 島根県松江市。 団体名 社会福祉法人島根ライトハウスライトハウスライブラリー。 活動名称 視覚障がい者を対象とした情報提供事業。 こんな活動です 点字や音声の図書・雑誌の製作と貸し出しをはじめ、点字発行物や音声情報誌の配布を行っています。 連携している団体等 行政(広報関係)、NPO 法人全国視覚障害者情報提供施設協会。 功労者表彰 活動分野 学習、文化。 主な対象 視覚障がい。 団体の規模 職員数 9 名。 活動の説明 ①活動内容 昭和 37 年から 50 年以上の長年にわたり、視覚障がい者のための図書館を運営している。 利用者登録、個人 625 名、団体 480 団体。 県内だけでなく、視覚障がい者情報提供施設のネットワークを通じて全国に貸し出し。 ①点字図書・点字雑誌、録音図書・録音雑誌(カセットテープ、CD)の製作と貸し出し。 製作する図書は、視覚障がい者にとって必要な知識・情報、学習や楽しみなどにつながる図書、地域関連図書の中から利用者の関心の高い図書などの視点で選んでいる。また、図書以外にも受験参考書や学校の副教材などの点字・音声化など個人の希望にも対応した製作も行っている。(平成 30 年度実績) 点字図書等:製作 240 タイトル、貸出 532 タイトル、ダウンロード貸出 2,225 タイトル。 録音図書等:製作 85 タイトル、貸出 10,150 タイトル、ダウンロード貸出 17,200 タイトル。 ②点字・音声発行物の配布 「島根県だより」(点字・音声)年 6 回、松江市広報誌(点字)年 12 回、松江市社協だより(点字・音声年 6 回、図書館だより(点字)年 2 回等。 ③情報誌の配布 年 6 回「声の便り虹」(音声・メール)年 6 回。 ④点字 JB ニュース(日刊)の配布。(新聞の抜粋記事などの点字版ニュース、拡大文字版もあり。) ⑤点字図書を製作する点訳ボランティアや録音図書等を製作する音訳ボランティアの養成 年 25 回、平成 30 年度育成実績、点訳 6 名、音訳 10 名、テイジー編集 1 名。 ⑥点訳・音訳技術の向上を図るためボランティアを対象としたスキルアップ講習会などを 定期的に開催。 ②活動体制 法人職員 9 名、ボランティア 268 名。 ボランティア登録している会員で分野、地域単位のグループがつくられており、そのグループと協同して研修会、勉強会を開催。また、当施設が主催する事業や視覚障がい者団体の行事についても協力を得ている。 ③活動の効果等 視覚障がい者の読書活動の機会や各種情報に触れる機会を提供し、障がい者の生涯学習に大きく貢献している。 活動の様子 写真 1 点訳ボランティアの自主勉強会の様子。 写真 2 録音室で録音図書を製作するボランティア。 ●社会福祉法人島根ライトハウス ライトハウスライブラリー オリジナルポスター (沿革) 1958 年 2 月島根県盲人協会、島根県盲教育後援会を中心とした「島根ライトハウス設立準備会(代表者:高尾正徳)」が発足。 1959 年 3 月「島根ライトハウス」が社会福祉法人として認可される。 1962 年 8 月点字図書館「ライトハウスライブラリー」(島根県松江市)を開設。初代施設長に高尾正徳氏。 1971 年 5 月ボランティアスクール開講。 1972 年 5 月県立盲学校旧校舎(松江市南田町)を島根県より借り受け点字図書館分館(盲人福祉センター)として開設。 7 月高尾正徳日本盲人会連合会長に就任(4 期 8 年)。 1981 年 12 月オリジナル情報誌声の便り「虹」創刊。 1982 年 7 月点訳・朗読・ガイドヘルパー等のボランティア団体を総括し「ライトハウスボランティア連絡協議会」が発足。 1984 年 4 月点字図書館(松江市南田町)を全面改築。 1990 年 5 月創設者高尾正徳(当時理事長)逝去。 2008 年 4 月ライトハウスライブラリー現在地(松江市南田町)に全面改築。 2010 年 4 月全国視覚障害者情報提供施設協会が視覚障害者情報総合システム「サピエ」の運用を開始。ライトハウスライブラリーもサービス提供を開始。 2012 年 7 月ライトハウスライブラリー創立 50 周年記念事業を実施。 2015 年 10 月高尾正徳生誕 100 周年記念企画展を松江テルサで開催。 2019 年 12 月文部科学省から「障害者の生涯学習支援活動」に係る文部科学大臣表彰を受賞。 平成 30 年度の活動実績と活動風景 *点字図書等: 製作 240 タイトル、貸出 532 タイトル、ダウンロード貸出 2,225 タイトル。 *録音図書等: 製作 85 タイトル、貸出 10,150 タイトル、ダウンロード貸出 17,200 タイトル。 *ボランティア養成: 点訳 6 名、音訳 9 名、デイジー編集 1 名 写真 1 創設者、高尾正徳。 写真 2 開設時のライトハウスライブラリー ・ライトハウスライブラリーの事業について ライトハウスライブラリーは視覚障害者のための情報提供施設です。点訳や音訳による図書・雑誌の貸し出しをはじめ、各種情報提供を行っています。 また、病気や事故による中途視覚障害者のための相談業務、点字やパソコン訓練、歩行・生活訓練など、各種リハビリテーションを通じて視覚障害者の自立と社会参加を支援しています。 ・ボランティア組織について ライトハウスライブラリーボランティア連絡協議会は点字・録音図書製作をはじめ、視覚に障害を持つ方々のサポートを目的に活動を行っています。平成 31 年 5 月現在、会員数は280 名を超え、支援する活動も多岐にわたっています。 ・ボランティア養成について 点訳、音訳ボランティアの養成講習は 25 回の講習を半年間かけて実施しています。講習を修了された方がボランティアとして活動をしています。 写真 3 現在のライトハウスライブラリー(島根県松江市南田町 141-10) 写真 4 施設の録音室を使用して、録音図書を製作する音訳ボランティア。 写真 5 施設として地域の小学生の点字学習などの受け入れも積極的に行っています。 写真 6 年に 1 回、それぞれ活動中の点訳・音訳ボランティアを対象にスキルアップ研修会を実施しています。 写真 7 点訳グループは週 1 回自主勉強会を開催して、自己研鑽に励んでいます。 写真 8 ボランティアにより製作された点字図書と録音図書。 写真 9 地域の広報誌なども点訳して視覚障害者の手元に届けています。 ■徳島盲ろう者友の会ふうわ部 プロフィール 所在地 徳島県徳島市。 団体名 徳島盲ろう者友の会ふうわ部。 活動名称 ふうわ部定例会。 こんな活動です 孤独な時間を豊かに過ごすために。パートナーとともに体験する地域活動。 連携している団体等 NPO 法人。 奨励者表彰 活動分野 学習。 主な対象 先天性盲ろう児者。 団体の規模 正会員数 35 名。 賛助会員数 22 名。 活動の説明 ①活動内容 先天性盲ろう者である会員 4 名(児童 1 名・成人 3 名[20 代~30 代])が、1 ヶ月に一度、支援員の協力のもと調理をはじめ、本人の希望する活動(水泳、トレーニングジム、手芸、パソコン等)に参加している。重度障害のある者にとっては余暇活動の幅を広げる事も生涯にわたる学びの一環として捉え取り組んでいる。特に調理活動は、素材の感触、味、におい等を体感しながら調理の手順を学ぶことはもとより、協同作業を通し、コミュニケーション力の育成にも繋がる活動として積極的に取り組んでいる。活動内容は個人の状況に合わせてスモールステップで変化させている。盲ろう者の変容は微細で、一緒に活動している時には把握しづらいためビデオに記録し、家族や支援者が一緒に見る機会を設けることにより、本人の意思の読み取りやスキルの習得状況を確認している。 ②活動体制 盲ろう者向け通訳介助員や特別支援学校教員、大学生等が毎回 5 人~10 人程度支援にあたっている。母親をはじめとする家族も参加している。 ③活動の効果等 先天性盲ろう児者は、その障害特性により、コミュニケーションや新しい経験をすることに困難を抱えており、余暇活動も極端に乏しい状況にある。教育段階においても盲ろうに特化した教育の場が無い状況であるが、学校卒業後は、盲ろうの障害特性に配慮された生活や余暇活動の場がさらに少なくなる。そのため、学校で身につけたことが活かされず、著しく状態が後退したり、落ち着いて生活ができなくなったりしていることがある。この会では、活動を継続することにより、本人なりに、活動に対する見通しを持った行動が増え、支援者との関わりや仲間への関心、取組姿勢に変化が見られるようになった。また支援者も家族も、本人たちの微細な発信を読み取るよう心がけ、より尊重して接してきたことにより、本人たちからは意思が通じた喜びの表情が見られるようになった。特に家族から、それぞれの人の特性や対応の仕方を学ぶことができるため、一人一人に応じた成長を促すような関わり方の工夫もできるようになったという感想を聞くことができた。孤立していた家族も、定期的に一緒に活動することを通してお互いの子どもの様子を知り、悩みの共有や将来の展望について話し合うことができるようになった。我々の活動について機会を捉えて発信してきたことにより、最近、いくつかの地域において同様の活動が始まっている。 1 か月に一度の活動ではあるが、先天性盲ろう児者が自分の好きな活動を支援者とともに行うことにより、その楽しかった記憶を繰り返し思い出して、ハッピーな気持ちで毎日を過ごすことができればと願っている。 活動の様子 写真 1 調理活動の様子。 写真 2 支援者と一緒にみかん狩り。